ちょっと面白い男の人像 4
そんなこんなで、ヒギンズ教授は人の話し方を聞けばすぐにその人の素姓を当てられる、言葉の探偵でもあります。
が、今回はイライザを使って言葉によるビューティフルな完全犯罪にチャレンジし成功したのだ。
彼の発想はユニークで面白い。
みすぼらしい女をゴージャスな女に変身させるのに必要なものは、衣装や肩書きや財産などの金ピカ物ではなく言葉だと彼は信じたのです。
つまり人間の価値は内面にあると判断しています。
その洞察力はすばらしいのに、一方ではちょっとやっかいな偏見もちらつかせる。
「気を許したとたんに女は嫉妬深くなり、手がつけられない。
勢い男も利己的な暴君になる。
だから私は独身を守っているんだ。
私はありふれた普通の男。
好きなことをして好きに暮らしたいだけ。
だが女が生活に割りこんでくると一巻の終わり。
家を飾りたて、次は男のオーバーホール。
こっちがやりたいこともたちまちねじ曲げられる。
同じ縛られるなら、歯医者の椅子のほうがまだましだ。
生活に女が入ってくると、女ともだちが押しかけてきて、ペチャクチャキャーキャーと喧しいったらない。
私の人生には絶対に女を介入させたくないね」
なるほど、ヒギンズのいいぶんにはもっともな個所もあるけれど、すべての女がそうではないのだから独断で分析するのはフェアじゃない。
言ってみれば、彼は恐れているんでしょうな。